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Vagrantをインストールしてテスト環境を作る for Ubuntu

仮想環境

Ubuntu環境に、Vagrant(ベイグラント)をインストールします。VirtualBoxとVagrantの2つがあることで、開発環境を仮想マシン上に自動作成することができます。

Vagrantとは?

Vagrantは、環境構築を簡単に立ち上げるためのツールです。近年、Web開発の分野ではPC上に構築した仮想マシン上にテスト用の環境を作成し、そこで開発やテストを行うスタイルが一般的です。Vagrantがなかった時は仮想マシンの立ち上げや環境構築にさまざまな作業が必要でした。Vagrantはそういったワークフローをまとめて行うことができます。ダウンロードは以下の公式サイトからできます。

Vagrant

VagrantはRubyで実装されており、WindowsおよびMac OS X、Linux(Debian、Ubuntu、CentOS、Red Hat Enterprise Linux、Fedora)で動作します。ただし、Vagrant自体には仮想化に関する機能は搭載されておらず、別途仮想化ソフトウェアが必要です。

Vagrantのboxとは?

Vagrantは、アプリケーションやシステム開発のバックエンドをパッケージ化します。このパッケージ化された環境を、「box」と呼ばれる単位で管理します。このboxにアクセスするには、VirtualBoxや、AWSなどの各種マシン・イメージに対応したプラグインを介して行います。

Atlasとは?

またboxを共有するための機能として、「Atlas」というインターネット上のサービスが提供されています。なお、Atlasは以前VagrantCloudと呼ばれていました。現在は、HashiCorpの他のツール(Packer、Terraform、Consul)とも連携できるように拡張されています。

Vagrantの使い道

Vagrantを利用すれば、同一構成の複数の仮想マシンを簡単に作成できます。そのため、複数人や複数台のマシンでテスト用の仮想環境が必要な場合に使えます。

テスト環境と運用環境を統一できる

複数人の開発者が1つのプロジェクトに参加する場合、それぞれ自身のマシン上に仮想環境を構築して開発します。しかしこの場合、開発者ごとのテスト・開発環境がそろっていないという問題が発生します。これを解決するため、「Chef」や「Puppet」といった設定管理ツールを利用して運用環境と同一の環境を作るという方法があります。Vagrantは、これをさらに一歩進め仮想マシンの作成と環境構築をまとめて実行できるようにします。

注意点

しかし、実運用環境をVagrantで作成することは推奨されていません。Vagrantでは、コマンドで簡単に仮想マシンを破棄できてしまいます。そのため、実運用環境をChefなどの設定管理ツールで構築し、それをVagrantに転用する、というスタイルが一般的です。

準備

仮想環境とセットで使いますので、先にVirtualboxをインストールしておきましょう。

※Virtualboxのインストールは以下を参考にしてください。

VirtualBoxをインストールする for Ubuntu

私の環境

ホストOS Ubuntu 14.04.4 LTS 64bit
CPU Core i5 2520M 2.50GHz

Vagrantのインストール

①Vagrantの最新アーカイブを確認します。執筆時点では1.8.5でした。

Vagrant ARCHIVES

②ターミナルを「ALT+CTRL+T」で開き、以下のコマンドでダウンロードします。(64ビット版をインストールします。)

wget https://releases.hashicorp.com/vagrant/vagrant_1.8.5_x86_64.deb
sudo dpkg --install vagrant_1.8.5_x86_64.deb

③インストールできたか確認してみます。

vagrant version

以下のメッセージが表示されれば完了です。

Installed Version: 1.8.5
Latest Version: 1.8.5

You're running an up-to-date version of Vagrant!

boxイメージをダウンロード

①以下URLからboxイメージをダウンロードします。(今回はとりあえず「CentOS 7.0 x64 (Minimal, VirtualBox Guest Additions 4.3.28, Puppet 3.8.1 – see here for more infos))」を設定します。)

Vagrantbox.es

②「Copy」ボタンをクリックしてダウンロードURLをコピーします。(※以下のコマンドは仮想環境は作成されていません。Vagrantにboxイメージを追加しただけです。)

③コピーしたURLを入力し、boxイメージを追加します。

例) vagrant box add {box名} {boxファイル}

vagrant box add centos7_x64 https://github.com/tommy-muehle/puppet-vagrant-boxes/releases/download/1.1.0/centos-7.0-x86_64.box

以下のように出れば成功です。

==> box: Successfully added box 'centos7_x64' (v0) for 'virtualbox'!

④以下コマンドを入力し、追加されたboxを確認します。

vagrant box list

以下のように「centos7_x64」が追加されていることが確認できます。

centos7_x64 (virtualbox, 0)

仮想環境の準備

①作業場として、Vagrantのプロジェクトディレクトリを作成します。(※「user」はログインユーザ名を指定します。)

mkdir /home/user/vagrant

②カレントディレクトリを移動します。

cd /home/user/vagrant

③「仮想環境の設定ファイル」であるVagrantfileを作成します。

vagrant init centos7_x64

④自身のIPアドレスの設定をします。テキストエディタで「Vagrantfile」を編集して、以下「config.〜」を追記します。

例)IPアドレスを「192.168.10.33」としておきます。

(変更前)

# config.vm.network "public_network"

(変更後)

config.vm.network "public_network" , ip: "192.168.10.33"

ネットワークインターフェイスが複数ある場合

ネットワークインターフェイスが複数あると、起動時に毎回選択する必要あります。

※以下のコマンドでネットワークインターフェースを確認できます。

ifconfig

仮想マシン(Vagrant up)を起動すると、以下のようにインターフェース名を質問されます。

==> default: Importing base box 'centos7_x64'...
==> default: Matching MAC address for NAT networking...
==> default: Setting the name of the VM: vagrant_default_1470270526414_77308
==> default: Clearing any previously set forwarded ports...
==> default: Clearing any previously set network interfaces...
==> default: Available bridged network interfaces:
1) eth0
2) wlan0
==> default: When choosing an interface, it is usually the one that is
==> default: being used to connect to the internet.
    default: Which interface should the network bridge to?

「eth0」を選択する場合は、以下のように入力します。

1) eth0

設定ファイル「Vagrantfile」にインターフェース名を追記することで回避できるようです。

例) eth0を常時選択するようにしておきます。

config.vm.network "public_network", ip: "192.168.10.33", bridge: "eth0"

仮想環境の起動

①以下コマンドで仮想環境を起動します。最初は起動に少々時間がかかります。

vagrant up

※もし、「vagrant up」で起動するとき、タイムアウトしてしまう場合は、「Vagrantfile」に以下の記述をしましょう。単位は秒で、デフォルトは300秒です。

config.vm.boot_timeout = 600

②以下のコマンドで起動したかどうかを確認できます。runningと表示されれば起動しています。

vagrant status

③以下のコマンドで停止します。

vagrant halt

仮想環境へログイン

ホスト環境から、仮想環境を利用するためログインします。インストールしたCentOSは最小限構成ですので、デスクトップ画面を開くことができませんのでSSHを利用します。

①以下のコマンドを入力します。

vagrant ssh

②パスワードの入力を求められます。デフォルトのパスワードを入力してログインしましょう。

パスワード vagrant
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プロフィール

名前:イワサキ ユウタ 職業:システムエンジニア、ウェブマスター、フロントエンドエンジニア 誕生:1986年生まれ 出身:静岡県 特技:ウッドベース 略歴 20

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