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ラズベリーパイのセットアップ(定番その1)

RaspberryPiマイコン

ラズベリーパイのを使用する際、初期にセットアップする方法をまとめます。

セットアップについて

前回、液晶パネルを接続しました。液晶パネルを使用する・しないにかかわらず、通常はとりあえず有線のUSBマウスとキーボードを接続して各種設定などを行います。

※ラズパイ内蔵のWi-Fiを使うと、本体にはUSBケーブルを一本つないで電源供給するだけで済みます。

ラズパイ(WITH DESKTOP)の初期状態

ラズパイOSの「RASPBIAN STRETCH WITH DESKTOP」を設定する前に、初期状態を確認します。初期状態は以下の通りです。

  • ホスト名:raspberrypi
  • ユーザー名:pi
  • パスワード:raspberry
  • rootパスワード:未設定(ログインできない)
  • ロケール:英語圏

起動時はpiユーザーで自動ログインします。また、インストール直後はChromiumブラウザ(Chromeの前身)がインストール済みです。

ラズパイ環境

RaspberyyPi Raspberry Pi 3 Model B (Element14)
OS Raspbian 8.0
Python 3.4.2


WIFI設定

①ネットワークアイコンを右クリックします。すると、IPの設定ができます。

②Wifiのパスワードを入力します。

※IPアドレスはデフォルトでは自動(DHCP)になっていますが、固定に変えてもOKです。

自動の場合は、ホスト名の後ろに「.local」を付けた名前でアクセスできます。

デフォルトのホスト名:raspberrypi.local

③パソコンから、pingコマンドで接続を確認できます。

ping raspberrypi.local

2018年中頃、Windows10のアップデートによりmDNS周りの仕様が変更されました。そのため、「.local」を付けたホスト名でアクセスすることができなくなりました。よって、固定のIPを割り当てることをおすすめします。

LANに接続

WIFIがなければ、ルータORハブとラズベリーパイを有線接続します。すると、クライアントPCと同じネットーワーク環境にラズベリーパイを置くことができます。



リモート接続(SSH)

ラズベリーパイ側の作業

SSH接続を行います。SSH接続すれば、別のクライアントPC(windows,linux,Mac)からラズベリーパイのコマンドベース操作が可能です。

①ラズパイのコンソール画面で「sudo raspi-config」と入力します。

sudo raspi-config

②[5 Interfacing Options]からSSHをEnableにします。

スタートメニューから

①ラズパイのスタートメニューから[Preferences]→[Raspberry Pi Configuration]と進みます。

②[Interfaces]タブでSSHをEnableにします。

クライアントPC側の作業

次にクライアントPC側からアクセスします。

windowsの場合

①windowsをお使いの方は、ターミナルは「Tera Term」等をインストールします。

Tera Term(窓の杜)

②Tera Termを起動して新しい接続からSSHを選びます。以下の入力を行います。(Linuxの場合は端末を起動するだけ。)

  • ホスト名:raspberrypi.local
  • ユーザー名:pi
  • パスフレーズ:raspberry

Linuxの場合

①端末を立ち上げます。

②以下のコマンドを入力します。

ssh pi@raspberrypi.local

③パスワード「raspberry」を入力します。

raspberry

SSHを有効にすると、ラズパイの起動時にpiユーザーのパスワード変更を促すWarningが表示されるようになります。「passwd」コマンドでパスワードを変更しておきます。(sudo raspi-config からでも可能)

これ以降はラズパイ側での操作は不要になります。


システムアップデート

システムアップデートを行わないと、以後のインストール作業でエラーが出ることがあります。なるべく早い段階でアップデートしましょう。

①パッケージリストの更新をします。

sudo apt-get update

②ディストリビューションの更新をします。

sudo apt-get dist-upgrade

※ディストリビューションの更新はWindows Updateのようなもので10分程かかります。

ロケールの設定

①SSH接続から「sudo raspi-config」を実行します。

sudo raspi-config

②[4 Localisation Options]を選択します。

③以下の3つの項目を日本用に設定します。

  • [I1 Change Locale]→ ja_JP.UTF-8 UTF-8
  • [I2 Change Timezone]→ Asia Tokyo
  • [I4 Change Wi-fi Country]→ JP Japan

[I3 Change Keyboard]はラズパイにキーボードを接続して設定しますが、今回はSSHを使うので基本不要です。

④設定を終了して再起動します。

sudo reboot

NTPの設定

NTPとは、ネットワークを介して時刻同期を行うプロトコルです。

時刻設定は必要最小限に

ラズパイはRTC(常に動作し続ける時計)を持っていないため、起動の度に日時を設定する必要があります。しかし、常時稼働させておくわけではないので、定期的な時刻同期までは不要です。よって、起動時に一度だけ時刻を同期するように設定します。

①軽量なNTPクライアント(ntpdate)をインストールします。

sudo apt-get install ntpdate

ネット上では、ntpデーモンをインストールする方法が多く見られます。しかし、これは無駄にNTPサーバーを稼働してしまうことになるためオススメしません。

②利用するNTPサーバーを設定します。デフォルトでは海外のサーバーになっているので、これをNICT(ntp.nict.jp)へ変更します。

sudo nano /etc/default/ntpdate

以下のように編集します。

#NTPSERVERS="0.debian.pool.ntp.org 1.debian.pool.ntp.org 2.debian.pool.ntp.org $
NTPSERVERS="ntp.nict.jp ntp.jst.mfeed.ad.jp ntp.ring.gr.jp"

※NICTとは、国立研究所が公開している無料のNTPサービスです。

NICT公開 NTPサービス

③ntpdateを起動するスクリプトを作ります。

sudo nano /usr/local/bin/ntpdate.sh

以下の内容を記述して下さい。

#!/bin/bash

sleep 10
/etc/network/if-up.d/ntpdate

exit 0

ntpdateの実行前にsleepを入れないと、WiFiの接続が完了していないので「name server cannot be used」というエラーが発生します。

④実行属性を付けます。

sudo chmod 700 /usr/local/bin/ntpdate.sh

⑤起動時にスクリプトを実行するように設定します。

sudo nano /etc/rc.local

以下の内容を記述して下さい。

#
# By default this script does nothing.

# Print the IP address
_IP=$(hostname -I) || true
if [ "$_IP" ]; then
  printf "My IP address is %s\n" "$_IP"
fi

/usr/local/bin/ntpdate.sh &
exit 0

rc.localファイルの最終行「exit 0」の直前に次の一行を追記します。

⑥ラズパイを再起動します。

sudo reboot

⑦ntpdateのログが記録されているかを確認します。

cat /var/log/syslog | grep ntpdate

問題なく実行できている場合は、最後に次のようなログが出ているはずです。

May  2 15:24:58 raspberrypi ntpdate[574]: step time server 133.243.238.163 offset 9.513388 sec

次回

次回は、VNC、日本語化対応、ホスト名の変更、パソコンとファイル共有、音声出力先の設定等を行います。

ラズベリーパイのセットアップ(定番その2)


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プロフィール

名前:イワサキ ユウタ 職業:システムエンジニア、ウェブマスター、フロントエンドエンジニア 誕生:1986年生まれ 出身:静岡県 特技:ウッドベース 略歴 20

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